『ママホリ2022~Genking Live』

「ママホリ2021 ~Genking Live」オフィシャルレポート

たくさん笑って、たくさん泣いた、奇跡のライブ

 記念すべき第一回目の幕開けは『LOVE2000』から。エンタメ感溢れる英語MCに続いて軽快なイントロが流れ、元気いっぱいにhitomiが登場する。20年前と変わらない歌声が会場に響き渡り、「今日は日頃の疲れを吹っ飛ばしてください!私も一緒に吹き飛ばしたいと思います」と『CANDY GIRL』をはじめヒット曲を連発。“4人の子どもたちのママ”を感じさせないスタイルとガーリーファッションに、客席はみるみる熱気に包まれていく。
 2番手はデビュー25周年を迎えた相川七瀬。『恋心』『夢見る少女じゃいられない』などミリオンセラーとなったロックナンバーを惜しみなく熱唱し、ボルテージはいきなりレッドゾーンへ突入。大合唱の代わりにペンライトを振る観客を前に「こんなにペンライトを振ってくれる場所で歌うの、初めてなんです」と本人、終始満面のニコニコ顔。現在、現役大学生でもあり、待ち時間に楽屋でオンライン授業を受けていた、という強者ぶりも発覚した。
 MAXからは“ママ代表”としてMINAとREINAが出演。デビュー以来、初めて2人だけのステージに挑んだ。「来年はトラ年なのでもう一度ブレークしたいです」とお茶目に抱負を語り、若きバックダンサーを従えて『TORA TORA TORA』などのヒット曲をユーロビートメドレーにした歌とキレッキレのダンスを披露。場内の盛り上がりは沸騰点に達した。

 途中休憩を挟んでの後半戦。続くは、これまた4人のママとは思えないスタイル抜群の土屋アンナが颯爽と登場。「初めて私の歌を聞くお客さんがいっぱいいると思うので自由に楽しんでくださいね~」とチャーミングに呼びかけ、『rose』『黒い涙』といった代表曲を歌い上げた。その豊かな表現力に、会場は一瞬にしてアンナワールドへと塗り替えられていく。
 ここで中村あゆみと相川七瀬が合流。ユニット「ANNA」(アナ)としても活動する2人が、土屋アンナと3人で山口百恵の『ロックンロール・ウィドウ』をカバー。二度と見られないパワフルなヴォーカル×3で観客を圧倒した。そして、このイベントを立案した中村あゆみにそのままバトンタッチされ、大ヒットナンバー『翼の折れたエンジェル』がスタート。力強いハスキーボイスに、観客は拳を高く突き上げた。
 最後を飾るアーティストはNOKKO。「お互いに若かったころ、同じ夢を追いかけた水と油のようなライバルであり戦友でした。37年の時を超えて同じ時代をずっと生きてきた、とても大切な存在です…」と中村あゆみが目頭を熱くしながら招き入れる。喝采の後に続く静寂。『人魚』をNOKKOが歌いはじめると、あちこちからすすり泣く声が聞こえてきた。たくさんの人がハンカチで涙をぬぐう光景がそこに広がっていた。

 この日、ナビゲーター役でたくさんの笑いを引き出したつるの剛士も、ママたちへの感謝を込めて『君にありがとう』をサプライズ歌唱。実はこの曲、現文化庁長官である戸倉俊一氏の作詞・作曲作品。そうとは知らずに中村あゆみが偶然にもリクエストしたものだ。
 フィナーレは出演者全員での感動の合唱曲。すべての出演者が見事に融合し、その温もりに会場全体がひとつに溶けていく。出演者、観客、スタッフ。ふと気づくと、その心と心の間に「ディスタンス」は微塵もなくなっていた。

hitomihitomi
相川七瀬相川七瀬
MAXMAX
土屋アンナ土屋アンナ
中村あゆみ中村あゆみ
NOKKONOKKO
つるの剛士つるの剛士
全員全員